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大川と呼んでいた川

春を待つ町

H15年4月

大川と呼んでいた川

 子供の頃には随分お世話になった。
 田んぼの水を抜く秋口には、川の堰を切る。川下で手綱を持って一瞬を待ち受けると、三〜四十センチもあろうかという鮒や鯉が飛び込んでくる。その手応えは濡れ手で泡の大儲けのイメージとなっている。
 台風の日に、竹で作った筏を浮べて職員室に立たされた。拾ってきた子犬を泣く泣く捨てに来たこともあった。
 古里の川は、思い出よりもはるかに小さく、遊ぶ子等もいなくなった。
  (パステル画)


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