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画家の一分 4

五年忌 2010年8月22日 福知山脱線事故と同じ年の夏、甥っ子は殺されました。

五年が経ちました。しかし母親は「新吾」と言う名を耳にすると「止めといて」と瞬間的に拒絶反応を示し、泣き崩れます。彼女はまだ「死」を認めず、子を待ち続けています。父親は死ぬ数日前に新吾からあった疲れきった電話に「頑張れ」と言った事を悔いています。「何もかも棄てて帰って来い」と言ってやっていれば、あの時東京へ飛んで行ってやればと、今でも「死んだ子の歳」を数え続けています。振り込まれた補償金へも全く手をつけていません。

死んだ日の記憶は「悲しい」を遥かに越えて「恐ろしい」、怨んでも尽きない記憶です。私の所へ母親から新吾の「窮」を告げる電話があったのは16時を少し過ぎた頃でした。「慘取ーの人がおかしなことを言っている」と言って、後は訳が分かりません。「しっかりしろ!」と叱ってようやく聞き取りました。

新吾が・・、今救急車にのせられて・・」しかしそれから待てども社からの連絡はありません。「きっと蘇生をしている最中だから・・」と言って母親を励まし続けました。2時間経って「いくら何でも・・」と社へ電話をしましたが、18時を過ぎていて「営業時間は終わりました」のアナウンスが流れるだけです。「104」で「お客様相談電話」の番号を教えてもらい、そこヘ電話して本社へ回してもらいました。

お気の毒ですが・・」と上司の竹本〜志(ちっぽんふにゃし)知財部長から電話があったのは実家への一報があってから、二時間以上も経っての事、病院で死亡が確認されたのは16時30分(後で死亡診断書で確認)、一時間半何をしていたのか,無事を祈る家族へ一秒も早く連絡を取るのが当然でしょう。家族はジリジリとして待っているのに。

次の言葉は「すぐこっちへ来て下さい。私は居るかどうか分からないが、誰か居ますから」その後「お兄さんの方から実家の方へ(死んだ事を)伝えて頂けませんか」。

何を言っているんだ!」私はありったけの声で怒鳴りつけました。

東京の病院へ転がり込む様に駆けつけ、居並ぶ役員を前に「人の息子をよーも殺して、竹本はどいつや!何があったんや!」と叫びました。皆オドオドしていて、「これが巨大企業の役員か?」と疑う程です。「イエスマン」ばかりの家来で周りを固めているのでしょう。

新吾に会って、少し落ち着いた時、役員が「葬儀の事ですが・・」とオソルオソル切り出しました。「葬儀は本社で行う」と宣言し、もし文句があるのなら、私は新吾の遺体を背負って本社に乗り込むつもりでした。

あてがわれたホテルに入っても眠れず、朝方ウトウトした頃,弟は着いた様です。丹後からは夜,「新幹線駅」へ出る列車は無く、新吾を連れて帰る事も考えて、車で中央高速を飛ばして来たのです。

朝会った時には葬儀の予定が決まっていました。訳も分からず、悪夢のさなかに居る弟夫婦に社はよーも話が出来たものです。

会社は敵ばかりではなく親身に同情的役割の役者も用意していて、つい心を許してしまうのです。補償交渉も同じです。

葬儀の模様は「画家の一分 3」に書きましたので、お読み下さい。

あの時、部長のネクタイを締め上げるべきだった。新吾を背負って本社へ乗り込むべきだった。悔いは尽きません。事件か余程の事を起こさない限り,新吾の死は有耶無耶にされてしまいます。

殺人なら犯人が捕まり処罰される事で少しは仇が討てますが、弁理士と言う資格を持ちながら、無資格上司(男女2人)にいじめ殺された子の仇はどう討てば良いのでしょうか。そもそも、有資格者の上に無資格者が立つ事を信じられますか?

犠牲者は甥っ子だけでは無い。めちゃくちゃになった弟夫婦もどう救えば良いのでしょうか?お教え下さい。

             南無新吾大明神

慘取ーよ、もしこのサイトの全記事で事実と異なる記述がありましたら、反証して下さい。すぐに訂正を入れますよ(録音テープ有りますヨ)。

皆様へ 2010年12月

2010年12月更新分では「花園」終了以降の新作を4点upしました。

内2点は以前の絵を約倍に拡大して、再描画したものです。「描き方を教えて欲しい」とメールを頂きますので、制作過程も幾つか載せました。

「頂相」に追われっぱなしで、早々に更新したいのは山々ながら、「日曜パステル画家」は中々、後から追われていないと仕事をしなくって、遅くなってごめんなさい。

後「スペイン・トレド風景」「丹後風景2点」を制作中です。

風景とは別に「有る女の肖像」を描き出してはいますが、美的でも、面白い訳でもなく「真っ白の厚化粧に真っ赤な口紅嬢」ですので、お稲荷さんの様にヒゲでも生やせば少しは絵になるかも知れません。まあボチボチやります。

又色々な情報、アイデアを有難うございます。「中国向けホメゴロシ案」等面白く、頭の中に絵も出来ていますが、ボチボチ行きます。

それから「オフィシャルサイト」を新設して、「私怨サイト」と分離を予定しております。新作の発表は「私怨」の方で、又、未up分の花園連載画を少し手を加えて「オフィシャル」の方へupしようと思います。先ずは絵が出来てからの話ですが。乞うご期待。

生活面では、プールで殆ど毎日2500メートルも泳いでいて、仕事と運動の日々を過ごしております。糖尿病予備軍(ペットボトル症候群?)の方も無投薬で「Hba1c  5.5」の十分な正常値を保っておりますが、早朝時血糖値が正常値を出たり入ったりで、正直、予備軍に入るのかどうかよくわかりません。清涼飲料は毒ですよ。たとえ無糖でも。少しの甘いもので満足できる習慣が大事。黒豆酢はまだ飲んでいます。他の血液のデータは正常です。

日々努力あるのみです。共に頑張りませう。

              2010年12月  合掌

 

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